保育園 メンタルヘルス対策

超少子化に思うこと

 今から十数年前、わたしは保育士資格を取得し保育士として就職しました。保育士になりたての頃を振り返ってみると、具体的な仕事の内容はほとんど覚えていません。ただ、「こんな幸せな仕事があるんだ」と感じた瞬間のことは強烈に覚えています。一年目のわたしの目に映る子どもたちの姿は、可愛らしいというよりも生命そのもののエネルギーに満ち溢れ、とてもまぶしく見えました。たいしたスキルもなく、子どもへの理解も浅く、保育士として何ができていたかというと最低限の業務しかできていなかったかもしれません。逆に、毎日子どもたちからエネルギーをもらい、色々なことを教えてもらっていました。今思えば、未熟だったからこそ見えていた子どもの魅力があったのかもしれません。

 先日は、残念ながら昨年度の出生数が80万人を下回ったという発表がありました。経済的な問題以外にも、子どもを育てることのリスクや不安が少子化を加速させているようです。確かに、子どもを育てることは簡単なことではありません。わたし自身、子育てをつらく感じることも少なからずあります。物理的にも経済的にも大変なことは避けては通れません。ただ現代社会では少子化によって子育てがより失敗できないものになってきているのでしょう。社会の価値観が変化し、子どもにたくさんの愛情を与え、望む環境を与え、辛いことや悲しみ、痛み、リスクを取り除いて守ってあげなければならないという、親に求められる責任の増大がプレッシャーになっているような気がします。

 このような時代の中で、保育園の求められる役割はますます重要になってくると考えています。子育ては確かに大変です。子どもは可愛いだけの存在ではありません。しかし、可愛さだけではない子どもの真の魅力を知っている保育者だからこそ、子育ての不安を軽減し、子どもがのびのびと育つ環境を示していくことができるはずです。ほいくりえいとラボは、保育者自身が安心して子どもたちと向き合い、自信をもって保育ができる環境づくりをサポートしたいと考えております。保育と子育ての明るい未来を共に創りだしましょう。