わたしは子どもの頃から気弱な性格で、友達や弟とでさえもケンカをした記憶がありません。どちらかと言えばマウントを取られる側、遠慮する側、言い負かされる側であり、もし誰かに強い口調で責められようなものなら、頭が真っ白になって何も言い返せないタイプでした。
そんなわたしが最初に就職した保育園は、不適切保育が常態化しているような園でした。表向きは立派な保育理念を掲げていましたが、職員は皆疲れた表情で殺伐とした雰囲気でした。大声で子どもを呼びつけたり、舌打ちをしたり、馬鹿にして笑ったりと散々で、わたしは3日目にして給食がのどを通らず、トイレで吐いてしまったほどでした。当時はまだ不適切保育という言葉もなかった時代でしたが、あまりの状況にいたたまれず採用を辞退するしかできませんでした。
なぜ、保育という仕事を選んだのに子ども達を大切にできないのだろうという悲しみと、自分より若い職員に対して何も伝えられなかった後悔は今でも消えていません。その園での職員の方々がどのような思いで保育をしていたのか、今となっては想像することしかできませんが、大声で笑っていたとしても決して楽しく幸せな保育ではなかっただろう、心の奥底では傷ついていたのだろうと思います。
人間誰しも、自分が大切にされたい、傷つきたくないという強い願望を持っています。無意識のうちに自分を守ろうと、心がはたらいています。職場というコミュニティの中で自分の居場所を得たいという願望が、周囲に合わせてやりたくないこと(例えば、子どもに対してきつく当たる等)をしてしまう、自分にとって都合が悪いことを見て見ぬふりをするということにつながっているのではないでしょうか。
不適切保育を失くそうとする前に、まずは保育者が抱えている不安やストレスを把握し、対処することが重要だとわたしは考えています。
子どもにとって安心できる場所がどれほど大切か、保育者なら誰でも知っているはずです。安心しているからこそ自己表現ができ、挑戦ができ、遊びに集中でき、成長できます。逆に不安が強い状態の子どもは、意欲が低かったり、気持ちが落ち着かずイライラしがちです。それは大人も同じです。
不安とストレスの原因に対処し安心感を高めることで、保育者の姿もきっと変わります。
わたしはメンタルケアを通して、健康で穏やかな心で保育できる環境をサポートしたいと考えています。
