保育施設でもメンタルヘルス対策をスタンダードに!

~保育者にもメンタルヘルスケアが必要な理由~

わたしは子どもの頃、母のことを内心怖れていました。母はすぐにイライラして怒ったり、不安になって泣いたりして、長女の私がいつも機嫌を取らないといけないと感じていたからです。母がいつも笑顔でいてくれたら安心なのに…自分はこんな母親になりたくないとずっと思っていました。

そんなわたしが出産していざ子育てとなると、全く思い描いた母親にはなれませんでした。毎日が感情のジェットコースターでイライラしたり泣いたり、怒鳴ったり、物に当たってしまうこともありました。一時期は自分で自分を抑えられず、どうなってしまうのだろうと恐ろしくてたまらなかったです。その時、人間というのは頭で考えている理性よりも、感情のほうが優先して行動に現れるのだということを身をもって知りました。

保育者による行き過ぎた躾、暴言や暴力は虐待もしくは不適切保育と言われ、逮捕までされてしまう時代です。暴言も暴力も決して正当化することはできませんが、人間である以上誰でも怒りや不安の感情を持ってしまうことがあります。「怒ってはいけない」「イライラしてはいけない」「不安になってはいけない」そう頭で考えていても、勝手に湧き上がってくるのが感情です。そうなってしまう原因を理解し、感情をケアしてストレスを軽減することが大切だとわたしは考えています。

~キーワードは安心感~

子どもにとって安心できる場所がどれほど大切か、保育者なら誰でも知っているはずです。安心しているからこそ自己表現ができ、挑戦ができ、遊びに集中でき、成長できます。逆に不安が強い状態の子どもは、意欲が低かったり、気持ちが落ち着かずイライラしがちです。それは大人も同じです。

職員一人ひとりの安心感を高め、職員同士が成長し合える関係性を築くことで、不適切保育が起こりにくい環境を作っていけるのではないでしょうか。