近年、職場でのコミュニケーションが希薄になってきています。
・ハラスメント防止など人権意識の高まり
・価値観の多様化
・個人主義
・スマホの普及
などにより、他者に干渉してはいけないような空気になっていることが主な要因です。
確かに、セクハラ・パワハラなどは誰でも受けたくありませんし、プライベートなことを根ほり葉ほり聞かれたり、愚痴を聞かされたりするのも面倒です。ただ、最近ではハラスメントや価値観の多様化を気にするあまり、何気ない会話でもネガティブに捉えて過ぎてしまう傾向も見られます。ギクシャクするくらいなら関わらない方がマシ、と距離を置いてしまうこともあるでしょう。
ただ、ハラスメントが起こらないからと言って、コミュニケーションの希薄な職場が居心地の良い職場になるでしょうか?
保育の現場においては、複数の職員で連携することがほとんどです。お互いの考えが分からないまま共に保育をすることは不安でしかありません。しかし、自分の考えを言わないまま、相手の考えを聞かないまま、
お互いを心の内で責めたり疑問を感じながら保育している方も多いのではないかと思います。
わたし自身も、振り返ってみれば思い込みや思い違いをたくさんしていました。もっと素直に相手の言葉を聞いていれば、自分の考えを伝えていれば、変えられた関係もあったかもしれません。
ハラスメントを避け、良好なコミュニケーションを生むには?
- 相手を気にかける
多くの人間にとって、孤独であることは大きな苦痛であり不安です。
逆に言えば、自分を気にかけてもらうということはとても嬉しいこと。
さりげないフォローや励ましを積極的に伝えましょう。 - 自己開示する
コミュニケーションが難しい、と感じるのは、相手とどういう話題を話してよいか分からないから。
プライベートな話をしたい人もいればしたくない人もいますが、黙っていれば分かりません。
「この人はこんな話題が好きなんだな」と分かれば、話しやすくなるものです。
長々と話す必要はないので、自分の考え方やキャラクターを少しづつ表現してみましょう。 - 相手の良い部分を見る
人間の脳はもともとネガティブな物事に反応しやすいようにできています。
また、思い込みが強いので、一度悪い印象を持った相手にはずっとそういう見方をしてしまいます。
たとえ心の中だけであっても、相手を否定したり責めたりしていると、
自分自身の心がストレスで疲弊します。
相手のためでなくあなたの心の平穏のために、相手の良い部分を見るようにしてみましょう。
コミュニケーションは人が社会で生きていくうえで欠かせないものですが、
悩みのつきない難しい課題でもあります。
職場では、一人ひとりが安心して自己表現ができる
”心理的安全性の高い職場環境”
が組織の安定と成長を生むと言われています。
組織全体でメンタルヘルスに取り組み、ハラスメントのない活気ある職場づくりを目指しましょう。